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【台風26号】名古屋への影響は?雨は収束、今週の天気と「こうなったら、こう動く」行動の目安、ハザードマップの確認ポイント【9月30日8時更新】

2026年9月30日(水)8時時点、26日から4日続いた名古屋の雨は、30日未明までにほぼ止みました。名古屋(千種区の名古屋地方気象台)の雨量は28日が28.5ミリ、29日が50.0ミリで、30日は0時台に0.5ミリ降ったあとは降っていません。愛知県内の警報・注意報はすべてなくなり、29日に犬山市に出ていた土砂災害注意報も30日4時03分の更新で解除されました。30日はくもり時々晴れ、10月1日は晴れて名古屋の最高気温は31℃まで上がる予想です(雨のまとめと今後の見通しは記事前半の【30日8時更新】の章にまとめました)。

雨の中で傘を差し、手のひらで雨を確かめる人(イメージ写真)

28日に「非常に強い」勢力だった台風26号は大きく弱まり、30日6時の中心気圧は996ヘクトパスカル、最大風速は20メートルで、暴風域はなくなりました。気象庁の予報では日本の南を北東へ進み、10月1日朝に伊豆諸島の青ヶ島付近を通って、2日には温帯低気圧に変わる見込みです。名古屋に最も近づくころでも中心はおよそ400キロ離れていて、愛知県では10月4日まで暴風などの警報級の可能性は示されていません。

名古屋は9月8日に1時間104.5ミリという観測史上最大の雨に見舞われ、今月の雨量は29日までで508.5ミリ、平年の9月1か月分(231.6ミリ)の約2.2倍に達しています。この記事は、今すぐ避難を呼びかける速報ではなく、「何かが起きる前に」確認しておきたいことをまとめた記事です。今後の天気の見通し、情報が出たときの行動の目安、そして名古屋市のハザードマップの確認ポイントの3つを、気象庁と名古屋市の公式情報をもとに整理しました。

この記事のポイント
  • いまの状況:雨はほぼ止み、愛知県内の警報・注意報はすべてなし(30日8時時点)。26〜29日の雨量は名古屋で97.0ミリ
  • 今週の天気:30日はくもり時々晴れ、10月1日は晴れて最高31℃の予想。2日・3日も晴れ時々くもりで、3日朝は15℃まで下がる予想
  • 台風26号:さらに弱まり(30日6時に996hPa、最大風速20メートル)、暴風域はなくなった。10月1日朝に伊豆諸島付近を通り、2日には温帯低気圧に変わる見込みで、名古屋からはおよそ400キロ
  • いまやること:2026年4月に更新された名古屋市のハザードマップで、自宅・職場・学校の「浸水の深さ」「斜線の区域」「避難場所」を確認
更新履歴
  • 30日8時20分更新:30日8時時点の情報に更新。雨はほぼ止み、愛知県内の警報・注意報はすべてなし。前半の章を「4日間の雨のまとめと、この先の見通し」に差し替え。天気予報・早期注意情報・時系列予報(30日5時発表)、台風情報(30日6時45分発表)、名古屋の雨量(29日の確定値)を反映
  • 29日12時50分更新:13時時点の情報に更新。天気予報・早期注意情報・時系列予報(29日11時発表)、台風情報(29日12時45分発表)、名古屋の雨量(12時40分まで)を反映
  • 29日8時50分更新:29日9時時点の情報に更新。台風26号の勢力が弱まり、暴風警戒域が愛知県から外れたことを反映。前半の章を「28日夜〜29日朝の雨と、29〜30日の見通し」に差し替え。天気予報・早期注意情報(29日5時発表)、台風情報(29日6時50分発表)を反映
  • 28日15時20分更新:15時時点の情報に更新。「今夜の雨の見通し」の章を追加。天気予報・早期注意情報(11時発表)、台風26号の位置(14時)と予想進路(14時45分発表)を反映
  • 28日10時:公開

【30日8時更新】4日間の雨のまとめと、この先の見通し

26日から降り続いた名古屋の雨は、30日未明までにほぼ止みました。名古屋(千種区の名古屋地方気象台)の日ごとの雨量は次のとおりです。

日付名古屋の雨量1時間の最大
26日(土)12.0ミリ2.0ミリ
27日(日)6.5ミリ2.5ミリ
28日(月)28.5ミリ13.0ミリ
29日(火)50.0ミリ8.0ミリ
30日(水)0.5ミリ(8時10分まで)-
26〜29日の合計97.0ミリ-

4日間の雨量は、9月8日の大雨(1日で219.5ミリ)に比べると少なく、名古屋市に警報が出ることはありませんでした。名古屋市の住民向け情報配信でも、この間に避難情報の配信はありませんでした。愛知県内では29日4時03分に犬山市に土砂災害注意報が出ましたが、30日4時03分の更新で解除され、30日8時時点で愛知県内に出ている警報・注意報はありません。

時期気象庁の見通し(愛知県西部)
30日朝(6〜9時)1時間の雨量は多い所で1ミリ。その後は雨の予想なし
30日昼過ぎ以降くもり時々晴れ。降水確率0%
10月1日晴れ(明け方までくもり)。降水確率0%。北西の風がやや強まり、陸上の最大風速は昼過ぎから夕方にかけて8〜9メートルの予想
早期注意情報愛知県西部・東部とも、10月4日まで大雨・土砂災害・暴風・波浪・高潮の警報級の可能性[高][中]なし

※時系列予報・早期注意情報・府県天気予報はいずれも30日5時発表。

雨が止んだあとも、しばらくは次の点に気をつけてください。

  • 川や用水路にはしばらく近づかない:雨が止んでも、上流で降った雨が流れてきて、水位の高い状態が続くことがあります。河川敷の公園やグラウンドも、ぬかるんでいる所があります
  • 崖・斜面の変化に注意:雨が止んだあとに崖崩れなどが起きることもあります。小石が落ちてくる、斜面から水が湧き出す、ひび割れができるなどの前兆に気づいたら、すぐに離れてください
  • 気温の変化に注意:雨で気温が上がらなかった29日から一転して、10月1日は名古屋で最高31℃の真夏日の予想です。3日の朝は15℃まで下がる見込みで、服装や体調管理に気をつけてください
  • 晴れた日にやっておきたいこと:側溝や雨水ます、ベランダの排水口にたまった落ち葉や泥の掃除、ハザードマップの確認、備蓄品の補充を。次の大雨や台風に備えるよいタイミングです

いまの名古屋の状況(9月30日8時時点)

気象庁と名古屋市の発表をもとに、30日朝の状況をまとめます。

項目内容
警報・注意報愛知県内に警報・注意報なし。29日4時03分に犬山市に出ていた土砂災害注意報は、30日4時03分の更新で解除。28日に出ていた雷注意報は28日20時49分に解除
警戒レベル相当情報発表なし
早期注意情報(30日5時発表)愛知県西部・東部とも、10月4日まで警報級の可能性[高][中]なし(大雨・土砂災害・暴風・波浪・高潮)
気象台の解説情報落雷・突風に関する愛知県気象解説情報は第2号(28日5時31分)で終了。台風26号の全般気象解説情報も第9号(28日16時30分)で終了
名古屋の雨量26日12.0ミリ、27日6.5ミリ、28日28.5ミリ、29日50.0ミリ(4日間で97.0ミリ)。30日は0時台の0.5ミリのみ(8時10分まで)
9月の雨量(1〜29日)508.5ミリ。平年の9月1か月分(231.6ミリ)の約2.2倍。うち219.5ミリは9月8日の1日で降った
台風26号(30日6時)日本の南(名古屋の南およそ600キロ)。中心気圧996ヘクトパスカル、中心付近の最大風速20メートル(最大瞬間風速30メートル)で、暴風域はなし。東北東へ時速15キロ

気象庁の30日5時発表の見通しでは、愛知県西部の雨は30日朝までで、1時間の雨量は多い所で1ミリです。10月1日にかけて雨の予想はありません。

ただ、名古屋は今月すでに大きな被害を受けたばかりです。9月8日の大雨では、名古屋市の集計(9月16日時点)で床上浸水279棟、床下浸水179棟、けが人35人の被害が出ました。床上浸水が多かったのは昭和区(100棟)、守山区(50棟)、北区(30棟)、東区(29棟)です(名古屋市「令和8年9月8日の大雨にかかる被害状況等について」)。当時の状況は9月8日の大雨の記事にまとめています。

今後の天気の見通し:30日から天気は回復。10月1日は晴れて真夏日の予想

名古屋の天気(気象庁の予報)

日付天気降水確率名古屋の最低/最高気温
30日(水)くもり時々晴れ朝10%/昼過ぎ以降0%-/26℃
10月1日(木)晴れ(明け方までくもり)0%20℃/31℃
10月2日(金)晴れ時々くもり10%18℃/28℃
10月3日(土)晴れ時々くもり20%15℃/27℃
10月4日(日)くもり時々晴れ30%18℃/25℃
10月5日(月)くもり40%19℃/25℃
10月6日(火)くもり時々晴れ30%18℃/27℃

※30日5時発表の気象庁の天気予報(10月1日までは愛知県西部、2日以降は愛知県の週間天気予報。気温は名古屋)。

30日は次第に高気圧に覆われ、くもり時々晴れの予想です。10月1日は高気圧に覆われておおむね晴れ、名古屋の最高気温は31℃と真夏日になる見込みです。台風26号は1日朝に伊豆諸島付近を通りますが、愛知県で雨の予想はありません。2日・3日も晴れ間が広がり、3日の朝は15℃まで下がる見込みで、朝晩と日中の気温差が大きくなります。

台風26号の予想進路(30日6時45分発表)

日時予想される位置中心気圧最大風速名古屋からの距離(目安)
30日6時(実況)日本の南996hPa20m/s約600キロ
30日18時青ヶ島の南西約150キロ996hPa20m/s約440キロ
10月1日6時青ヶ島の北東約80キロ996hPa20m/s約400キロ(予報円の半径は約120キロ)
10月2日3時日本の東994hPa23m/s温帯低気圧に変わる見込み

※距離は、気象庁が発表した予報円の中心と名古屋との直線距離を当編集部が計算したもの。

台風26号は28日から30日にかけて勢力が大きく弱まり、30日6時には中心気圧996ヘクトパスカル、最大風速20メートルで、風速25メートル以上の暴風域はなくなりました。今後は日本の南を北東へ進み、10月1日朝に伊豆諸島の青ヶ島付近を通って、2日には日本の東で温帯低気圧に変わる見込みです。名古屋に最も近づくのは10月1日朝ごろで、中心はおよそ400キロ離れています。

28日の時点では、10月1日朝の暴風警戒域の端が愛知県付近にかかっていましたが、台風が弱まったことで、30日6時45分発表の予報では暴風域・暴風警戒域ともになくなりました。30日5時発表の早期注意情報でも、愛知県では10月4日まで暴風・高潮を含めて警報級の可能性は示されておらず、気象庁の台風の解説情報(全般気象解説情報)も28日16時30分の第9号で終了しています。

台風が離れていても雨が強まることがある

今回のように、本州付近に前線が停滞し、南の海上に台風があるときは、台風から離れた場所でも雨が強まることがあります。台風のまわりの暖かく湿った空気が前線に流れ込み、雨雲が発達しやすくなるためです。気象台も28日朝の解説情報で「前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むため、大気の状態が非常に不安定となる」としています。

名古屋でこの組み合わせが大きな災害につながった例が、2000年9月の東海豪雨です。秋雨前線に、南の海上にあった台風14号の周辺から暖かく湿った空気が流れ込み、名古屋では9月11日の1日で428.0ミリ(1時間最大97.0ミリ)、12日までの2日間で566.5ミリの雨が降りました。今回の予報はそこまでの大雨を見込んでいませんが、「台風が来ないから大丈夫」とは限らないことは覚えておいてください。

「こうなったら、こう動く」:情報ごとの行動の目安

大雨や台風の情報は、出るたびに「行動を切り替えるスイッチ」として使うと迷いません。2026年5月29日から、気象庁の警報は「大雨」「土砂災害」「氾濫」「高潮」の4種類 × 注意報・警報・危険警報・特別警報の形に整理され、名前を見ればレベルが分かるようになりました。名古屋市が出す避難情報と合わせて、段階ごとの動き方をまとめます。

段階目安になる情報こう動く
いま(備える)警報・注意報なし、または注意報だけ(30日時点)ハザードマップで自宅・職場・学校を確認。水・食料の買い足し、スマホの充電、ベランダの片付け、名古屋市防災アプリの通知設定
予定を見直す早期注意情報で「大雨」「暴風」などの警報級の可能性[中][高]/台風の予報円が東海地方にかかる/「線状降水帯が発生する可能性」の呼びかけ翌日の外出・通勤・通学・イベント参加を見直す。低い土地の駐車場の車を高い場所へ。高齢の家族の避難先と、誰が迎えに行くかを決める
警戒レベル2大雨注意報・土砂災害注意報・氾濫注意報・高潮注意報/キキクル「黄」避難先と避難経路を最終確認。地下街・地下駐車場・アンダーパス・河川敷には近づかない
警戒レベル3大雨警報・土砂災害警報・氾濫警報・高潮警報/キキクル「赤」/名古屋市の「高齢者等避難」高齢の方、障害のある方、乳幼児連れなど避難に時間がかかる人と支援する人は避難を始める。それ以外の人も普段の行動を見合わせ、すぐ動けるよう準備
警戒レベル4大雨危険警報・土砂災害危険警報・氾濫危険警報・高潮危険警報/キキクル「紫」/名古屋市の「避難指示」危険な場所から全員避難。ハザードマップで斜線の区域(家屋倒壊等氾濫想定区域)や土砂災害警戒区域にいる人は、区域の外へ
警戒レベル5大雨特別警報・土砂災害特別警報・氾濫特別警報・高潮特別警報/キキクル「黒」/名古屋市の「緊急安全確保」災害がすでに起きているか、切迫している状態。外への移動が危険なら、今いる建物の少しでも高い階、崖から離れた部屋で命を守る

※気象庁の警報は「警戒レベル相当」の情報で、実際の避難情報(高齢者等避難・避難指示・緊急安全確保)は名古屋市が河川の流域や学区ごとに発令します。避難指示が出ていなくても、キキクルや川の水位で危険が迫っていると判断したら、自分で避難を始めてかまいません。

このほか、気象庁の「気象防災速報」で次の情報が出たら、「いま、まさに危険が迫っている」合図です。

  • 気象防災速報(記録的短時間大雨):数年に一度しかないような猛烈な雨を観測・解析したときに出る速報。地下や川の近くからすぐ離れる
  • 線状降水帯に関する速報:線状降水帯が発生したときや、「今後3時間以内に発生する可能性が高い」(線状降水帯直前予測)ときに出る速報。同じ場所で非常に激しい雨が降り続くおそれがある。9月8日も16時28分に愛知県西部で線状降水帯の発生が発表された
  • 気象防災速報(竜巻注意):竜巻などの激しい突風が発生しやすい気象状況のときに出る速報。空が急に暗くなる、雷が聞こえる、冷たい風が吹く、といった兆しがあれば頑丈な建物の中へ

「避難」は避難所に行くことだけではない

避難とは「難」を「避」けることで、学校などの避難所へ行くことだけを指すわけではありません。内閣府の避難行動のガイドでは、ハザードマップで自宅に色が塗られていても、次の3つをすべて満たせば、自宅で安全を確保する(在宅避難)ことも選択肢とされています。

  • 自宅が家屋倒壊等氾濫想定区域(斜線の区域)に入っていない
  • 想定される浸水の深さより高い階に居られる
  • 水が引くまで(浸水継続時間)過ごせる水・食料・トイレなどの備えがある

1つでも満たさない場合は、安全な場所にある親戚・知人の家やホテル、指定緊急避難場所への立ち退き避難が必要です。台風が近づいてからの移動は危険なので、明るいうちに、雨風が強まる前に動くのが原則です。

名古屋市には、ホテル・旅館への避難費用を助成する制度もあります。対象は「土砂災害(特別)警戒区域」または「家屋倒壊等氾濫想定区域」に住む世帯で、大雨や台風で市がその地域に避難情報を出した場合などに、宿泊費の2分の1(1世帯1泊あたり上限5,000円)が助成されます。避難後の申請もできますが、事前に認定申請をしておくとスムーズです(名古屋市宿泊施設避難助成金制度)。

今週、名古屋で気をつけたい場所とこと

  • 雨が止んだあと:雨が止んでも、しばらくは川の水位が高かったり、斜面が崩れやすかったりすることがあります。晴れた日も、増水した川や崖の近くには近づかないでください。
  • アンダーパス(線路や道路の下をくぐる道):短時間の強い雨でも冠水します。冠水した道路に車で入ると、浅く見えても動けなくなったり、水圧でドアが開かなくなったりします。名古屋市のハザードマップには、大雨で冠水のおそれがあるアンダーパスが印で示されています。
  • 地下街・地下鉄の駅・地下駐車場・半地下の部屋:地上の雨が一気に流れ込むことがあります。名古屋市は、ドアの外側の水が30センチを超えると外開きのドアが水圧で開かなくなることがある、地下が浸水しそうなときはエレベーターを使わない、と呼びかけています(名古屋市「地下街や地下室の浸水対策」)。
  • 中小河川と河川敷:9月8日に避難指示などが出た香流川、植田川、山崎川、天白川、扇川、新川、堀川・新堀川、守山川、天神川、八田川、新地蔵川、隅除川、大山川、蟹江川、水場川などは、強い雨で一気に水位が上がります。庄内川・矢田川の河川敷の公園や駐車場も含め、雨の間と雨がやんだ直後は近づかないでください。
  • 9月8日に浸水した場所:同じ場所は、同じような雨で再び水がつきやすくなります。自宅周辺の側溝や雨水ますに、落ち葉や前回の泥・ごみが詰まっていないか、雨の弱いうちに確認を。
  • 丘陵地の斜面(千種区・守山区・名東区・天白区・緑区など):雨が続くと地盤に水がたまります。崖からの小石の落下、斜面のひび割れ、湧き水の濁りなどに気づいたら、すぐに離れてください。
  • 海抜ゼロメートル地帯(港区・中川区・南区など):雨水がはけにくく、浸水が長く続きやすい地域です。台風が近づくときは、高潮にも注意が必要な地域です。
  • 屋外イベント・外出の予定:アジア競技大会の期間中(10月4日まで)で、栄周辺では屋外のイベントも続いています。雨や荒天で内容が変わることがあるので、出かける前に公式の案内を確認してください(ONE ASIA WORLDの雨の日の回り方)。

ハザードマップの確認ポイント(名古屋市版)

名古屋市のハザードマップは2026年4月に洪水ハザードマップが更新され、愛知県が公表した中小河川の浸水想定が新たに反映されました。以前に見たことがある人も、最新版で見直す価値があります。9月8日のように、大きな川ではなく中小河川や下水道があふれて被害が出ることもあるからです。

ハザードマップは、次の3つの方法で見られます。

紙の冊子は、各区役所・支所で自分の区の分を無料で受け取れます。名古屋市役所西庁舎1階の市民情報センターには、16区すべての分が置かれています。

まず「どのマップを見るか」:区によって種類が違う

名古屋市のハザードマップは災害の種類ごとに分かれていて、区によって用意されているマップが違います。今回のような大雨・台風で見るべきなのは、洪水・内水氾濫・高潮(丘陵地は土砂災害警戒区域も)です。

マップ分かることある区
洪水川があふれたときの浸水の深さ、浸水が続く時間、家屋倒壊等氾濫想定区域。丘陵地の区(守山区・名東区など)では土砂災害警戒区域も表示全16区
内水氾濫下水道や水路があふれたときの浸水の深さ全16区
高潮台風などで海面が上がったときの浸水北・西・中村・中・昭和・瑞穂・熱田・中川・港・南・緑・天白の12区
ため池ため池が決壊したときの浸水千種・東・守山・緑・名東・天白の6区
津波津波が来たときの浸水中村・瑞穂・熱田・中川・港・南・緑の7区
地震震度、液状化の可能性全16区
指定避難所避難生活を送る避難所の一覧全16区

確認ポイント①「色」で浸水の深さを見る

自宅・職場・学校・子どもの通学路が何色で塗られているかを見ます。色の濃さは、想定される浸水の深さです。

浸水の深さおおよその目安考えておく行動
0.5メートル未満床下浸水程度(大人のひざ下くらい)2階建て以上なら上の階で安全を確保できることが多い。1階の家電・貴重品は高い所へ
0.5〜3メートル未満1階が床上浸水〜ほぼ水没2階以上へ。平屋やアパートの1階なら立ち退き避難
3〜5メートル未満2階も床上まで浸水(2階の軒下付近まで)3階以上へ。2階建て以下の家なら立ち退き避難
5メートル以上2階の軒下を超える早めに浸水しない地域へ立ち退き避難

※目安は一般的な木造住宅の場合。名古屋市の各区のハザードマップにも「浸水の目安」のイラストが載っています。

確認ポイント②「斜線の区域」に入っていないか

洪水ハザードマップで斜線がかかっている場所は「家屋倒壊等氾濫想定区域」です。川があふれたときの水の勢いや、川岸が削られることで、家そのものが壊れたり流されたりするおそれがある区域を示しています。名古屋市はマップの中で、この区域に住む人は「上層階への避難ではなく、区域外への避難が必要」と明記しています。庄内川・矢田川・新川などの堤防沿いが主な対象です。

自宅がこの区域に入っていれば、2階に上がるだけでは安全とは言えません。避難指示が出る前に、区域の外の避難先(親戚・知人宅、ホテル、指定緊急避難場所)を決めておくことが大切です。前述のホテル避難の助成制度の対象かどうかは、名古屋市の対象エリア確認マップでも調べられます。

確認ポイント③「浸水継続時間」を見る

各区の洪水ハザードマップには、地図の隅に「浸水継続時間図」が付いています。浸水の深さが0.5メートル以上の状態が続く時間を、「12時間未満」から「2週間以上」までの6段階で示したものです。

浸水が何日も続く場所では、2階に避難できても、水・食料・トイレが足りなくなったり、病気のときに外へ出られなかったりします。浸水継続時間が長い地域(特に市の西部の低地)では、在宅避難より早めの立ち退き避難を考えてください。たとえば中川区の洪水ハザードマップでは、庄内川より東側の広い範囲が「2週間以上」とされています。

確認ポイント④ 川から遠くても「内水氾濫」マップを見る

短時間に強い雨が降ると、下水道や水路の排水が追いつかず、川から離れた住宅地や道路でも水があふれます。これが内水氾濫です。洪水マップで色がついていなくても、内水氾濫マップでは色がついている場所があります。道路より低い玄関、半地下の駐車場、坂の下の家は、特に確認しておきましょう。

雨の最中に排水ポンプが動いているかどうかは、名古屋市上下水道局「雨水情報」で確認できます。

確認ポイント⑤ 避難場所の「○」「2階以上」「3階以上」を見る

各区のハザードマップには指定緊急避難場所の一覧があり、洪水・内水(丘陵地の区では土砂も)のときに使えるかどうかが書かれています。「○」なら使える、「2階以上」「3階以上」ならその階より上しか使えないという意味です。最寄りの学校が、必ずしも水害のときに使える避難場所とは限りません。

名古屋市の避難先には、次の2種類があります。

種類役割
指定緊急避難場所災害の危険から命を守るために一時的に逃げる場所。災害の種類ごとに使えるかどうかが決まっている。住んでいる区や学区に関係なく、最寄りの施設に避難できる
指定避難所災害で家に戻れなくなった人が一定期間、避難生活を送る場所

避難場所は定期的に見直されるので、最新の情報は名古屋市「避難所・避難場所」や防災アプリで確認してください。

確認ポイント⑥ 避難ルート上の「アンダーパス」「川・水路」を避ける

避難場所が決まったら、そこまでの道順を地図で確かめます。ハザードマップには、大雨で冠水して通行止めになるおそれがあるアンダーパスの印が載っています。守山区のマップのように、大雨のときに通行止めになる区間が書かれている区もあります。アンダーパス、川沿い、用水路沿いの道を通らないルートを選び、できれば晴れた日に一度歩いておくと安心です。

確認ポイント⑦ 丘陵地では「土砂災害警戒区域」も見る

守山区や名東区など丘陵地の区の洪水ハザードマップには、土砂災害(特別)警戒区域も示されていて、避難場所の一覧にも土砂災害のときに使えるかどうかが書かれています。崖の下や谷の出口にあたる家は、浸水の心配がなくても、土砂災害危険警報や避難指示が出たら区域の外へ避難が必要です。9月8日には、千種区と守山区の一部に土砂災害の避難指示が出ました。

確認ポイント⑧「色がない=安全」ではない

洪水ハザードマップは、国や愛知県が川ごとに設定した「想定し得る最大規模の雨」(年に1000分の1程度の確率の雨)で計算されています。一方で、局地的な短時間の豪雨では、色が塗られていない場所でも道路の冠水や低い土地への浸水が起きます。マップは「ここまでは起こり得る」という目安として使い、周りの土地の低さや過去の浸水の経験とあわせて判断してください。

確認ポイント⑨ 確認したことを「マイ・タイムライン」に落とし込む

ハザードマップで分かったことは、「いつ、誰が、何をするか」を時間の流れに沿って書き出しておくと、いざというときに迷いません。名古屋市は「わが家のマイ・タイムライン」の用紙(PDF)を公開していて、防災アプリでも作成できます。たとえば「台風の予報円が東海にかかったら車を移動」「高齢者等避難が出たら祖母を迎えに行く」「避難指示が出る前に○○へ」といった形です。

次の大雨・台風が来る前に済ませておきたい準備

備えのチェックリスト
  • ハザードマップで自宅・職場・学校の浸水の深さ、斜線の区域、避難場所を確認した
  • 避難先と避難ルートを決め、家族で共有した(離れているときの連絡手段と集合場所も)
  • 名古屋市防災アプリを入れ、住んでいる地域の避難情報のプッシュ通知を設定した
  • スマホとモバイルバッテリーを充電した。懐中電灯・ラジオの電池を確認した
  • 飲料水・食料(最低3日分)、常備薬、簡易トイレを用意した
  • ベランダや庭の植木鉢・物干し竿・自転車など、風で飛びそうな物を片付けた
  • 側溝・雨水ます・ベランダの排水口の落ち葉やごみを取り除いた
  • 低い土地に車を止めている場合、雨が強まる前に移動する場所を決めた
  • 半地下の入口や玄関に、土のうや水のう(ごみ袋に水を入れたもの)を用意した
  • 非常持ち出し袋の中身(貴重品のコピー、着替え、マスク、充電器など)を確認した
  • 斜線の区域・土砂災害警戒区域に住んでいる場合、ホテル避難の助成制度の対象か確認した

公式の確認先(ブックマーク推奨)

最新の情報は、必ず一次情報で確認してください。名古屋市の防災情報サイトの使い方は、【名古屋市】防災情報サイトまとめ:大型台風接近に備えようでも紹介しています。

気象庁(雨・台風・警報)

名古屋市(避難情報・ハザードマップ)

交通機関

大雨のときは運転見合わせや遅れが出やすく、駅で入場規制がかかることもあります。移動の前に確認し、無理な帰宅は避けてください。

よくある質問(FAQ)

  • 台風26号は名古屋に上陸しますか?

    上陸しない見込みです。9月30日6時45分発表の気象庁の予報では、台風26号は日本の南を北東へ進み、10月1日朝に伊豆諸島の青ヶ島付近を通って、2日には温帯低気圧に変わる見込みです。勢力も弱まり、30日6時の中心気圧は996ヘクトパスカル、最大風速は20メートルで、暴風域はなくなりました。名古屋に最も近づくころでも中心はおよそ400キロ離れています。

  • 警報が出ていないのに、備える必要はありますか?

    あります。名古屋の9月の雨量は29日までで平年の1か月分の約2.2倍に達していて、雨が止んだあとも、しばらくは川の増水や土砂災害に注意が必要です。また、9月8日のように、雨は予報を超えて短時間で強まることがあります。備えは情報が出る前、晴れているうちに済ませるのが基本です。

  • ハザードマップで色が塗られていない場所なら安全ですか?

    安全とは限りません。洪水ハザードマップは川ごとに想定した大雨で計算したもので、局地的な短時間の豪雨では色がない場所でも道路の冠水や低い土地への浸水が起きます。川から離れた場所でも、下水道があふれる内水氾濫のマップもあわせて確認してください。

  • 「避難場所」と「避難所」はどう違いますか?

    指定緊急避難場所は、災害の危険から命を守るために一時的に逃げる場所で、洪水や土砂災害など災害の種類ごとに使えるかどうかが決まっています。指定避難所は、家に戻れなくなった人が一定期間避難生活を送る場所です。名古屋市のハザードマップの避難場所一覧で、水害のときに使えるか、何階以上なら使えるかを確認しておきましょう。

  • 大雨のとき、車で避難や移動をしてもいいですか?

    雨が強まってからの車の移動はおすすめできません。アンダーパスや冠水した道路に入ると、浅く見えても車が動けなくなったり、水圧でドアが開かなくなったりします。車で避難する場合は、雨が強まる前の明るいうちに、アンダーパスや川沿いを通らないルートで移動してください。

  • 名古屋市でホテルに避難すると補助はありますか?

    あります。名古屋市宿泊施設避難助成金制度では、土砂災害(特別)警戒区域または家屋倒壊等氾濫想定区域に住む世帯が、大雨や台風で市が避難情報を出した場合などに市内のホテル・旅館へ避難すると、宿泊費の2分の1(1世帯1泊あたり上限5,000円)が助成されます。対象になるかは名古屋市の対象エリア確認マップで調べられ、事前に認定申請しておくと手続きがスムーズです。

まとめ:いまは「静かなうちに確認する」時間

30日8時の時点で、愛知県内に警報・注意報は出ていません。26日から続いた雨は30日未明までにほぼ止み、10月1日は晴れて真夏日になる予想です。台風26号も勢力が弱まり、名古屋から400キロほど離れた海上を通って、2日には温帯低気圧に変わる見込みです。ただ、9月の雨量は平年の2倍を超えました。晴れてからもしばらくは、川や斜面の変化に気をつけてください。

いまできることは、ハザードマップで自宅の「色」「斜線」「避難場所」を確かめ、「こうなったら、こう動く」を家族で決めておくことです。9月8日の大雨のように、雨は予報を超えて強まることがあります。情報が出てから慌てないよう、静かなうちに確認を済ませておきましょう。

しゃちほこニュースでは、警報の発表や台風の進路に大きな変化があれば、この記事を更新します。

※本記事は、気象庁「警報・注意報」「気象防災速報・気象解説情報」(愛知県気象解説情報 第2号・28日5時31分、全般気象解説情報(台風第26号)第9号・28日16時30分)「台風情報」(30日6時45分発表)「天気予報」(30日5時発表)「時系列予報」「早期注意情報」(30日5時発表)「アメダス」「過去の気象データ」、名古屋市公式サイト・名古屋市住民向け情報配信(なごやハザードマップ、各区ハザードマップ、防災アプリ、宿泊施設避難助成金制度、令和8年9月8日の大雨にかかる被害状況等)の情報(いずれも2026年9月30日8時時点で確認)に基づいて作成しています。名古屋からの距離と暴風警戒域の範囲は、気象庁の台風予報データをもとに当編集部が計算しました。最新の状況は各公式サイトでご確認ください。

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