愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会が開幕した10月18日(日)、名古屋・栄のオアシス21で大会公式セレブレーション「ONE HEART WORLD」のオープニングトークショーが開かれ、スペシャルゲストとしてEXILEの松本利夫さん(MATSU)が登壇しました。11月6日公開の映画『4アウト ─もう一度、プレイボール─』で聴覚障害がありながらも、障害者野球チームの創設にかかわる人物を演じた松本さん。トークショーのあとの囲み取材と、しゃちほこニュースの個別インタビューで、映画の現場で障害のある人から受け取ったもの、ご自身が病気と向き合いながら活動を続けてきた原動力、そして「優しい社会」への思いを語ってくれました。

| 名前 | 松本利夫(まつもと・としお)さん/MATSU |
| 所属 | EXILE(2001年デビュー。2015年末にパフォーマーを卒業し、俳優として活動) |
| 登壇 | 10月18日(日)ONE HEART WORLD オープニングトークショー(オアシス21) |
| 映画 | 『4アウト ─もう一度、プレイボール─』(11月6日公開、相葉雅紀さん主演)に泉邦衛役で出演 |

トークショーで「選手の努力は裏側にある」
17時30分に始まったオープニングトークショーには、松本さんのほか、競泳の入江陵介さん、陸上の塚原直貴さん、パラトライアスロンの谷真海さんと円尾敦子さん、SKE48の倉島杏実さんと松本慈子さんが登壇しました。
20日から始まる「アスリートセレブレーション」(競技を終えた選手を街の中で迎える催し)をどう見るか、と聞かれた松本さんは、選手の努力が「裏側」にあることに触れました。
「おそらく選手の皆さんって、日頃から努力をされていると思うんですけれども、そういったところってやっぱり裏側だったりするんですよね。
なので、その裏側で頑張っている姿が、大会で結果を出していくとは思うんですけど、やっぱりファンの皆さんも、なかなかお会いできる機会がなかったりとか、その選手も、ファンの皆さんに、例えば感謝の気持ちとかをお伝えしたいっていう気持ちはたくさんあると思います。
やっぱりそういった催しがあるっていうのはすごく素敵なことですし、そういう時にはもう本当に選手の皆さんもうれしいことだと思いますし、ファンの皆さんも本当に喜ばしいことかなと思っています」
――司会者よりアスリートとの共通点を聞かれると、パフォーマーとしての日々を重ねました。
「僕の場合も、アーティスト業といいますか、パフォーマー業だったので、やっぱり日々のトレーニングとか、食事制限とか、常に気をつけていることがあったりしますし、その中でけがをしないように心がけることも大事ですし、そういったことは、その選手の皆さんと共通する部分ってあるのかなっていうふうに感じてます。
リハーサルしてても裏方なんですよね、そういう時って。一瞬のその輝きっていうのは、表に出てる時だけで、選手の皆さんが、そこだけの評価になってしまうのは、少しちょっと残念なところかもしれません。やっぱりそこを、皆さんが、選手の皆さんを応援してあげてほしいなと思いますし、みんなで盛り上がっていけたらいいなと思っています」

囲み取材で「『できない』を『できる』という目線に」
トークショーのあと、松本さんとSKE48の倉島杏実さん、松本慈子さんが報道各社の囲み取材に応じました。しゃちほこニュースは、パラスポーツを初めて見る人に向けて「まずここを見て」というところを聞きました。(SKE48の倉島杏実さん・松本慈子さんのインタビューは別記事にて公開中)
――パラスポーツと関わる機会が、映画出演だけでなく多かったと思います。初めて見る人に「まずここを見て」というところは何ですか。
松本 障害の有無関係なく、スポーツって「人と人がつながれる」ものだと思っています。もちろん今回パラなんですけど、みんなそれぞれ選手なので、裏でたくさんの努力をして、その一瞬にかける思いっていうのが、やっぱりすごく強いと思うんですね。なので、一瞬の試合だったり、そういう瞬間をみんなで応援してほしいなと思います。
もちろん勝敗はあるかもしれないけど、勝敗だけじゃなく、その選手が頑張った姿っていうのが、やっぱり見どころなんじゃないかなというふうに感じます。今回は本当に特に、「できない」を「できる」っていう目線に持っていくことで、やっぱり勇気とか希望とか、そういうものを与えてくれるんじゃないかなと思います。
――先ほど舞台上で「一瞬のその輝きっていうのは、表に出てる時だけで、選手の皆さんが、そこだけの評価になってしまうのは、少しちょっと残念」という話がありました。松本さんご自身が「ここを評価されるとうれしい」というポイントはありますか。
松本 ライブ全体を通してパフォーマンスして、結構、短い時間しか見られない瞬間とかがあったりするんです。例えば僕はずっとパフォーマーの人生で生きていく中で、ソロっていうパートがライブの中であったりするんですけど、そこでの振り付けとか考えてこないで、そのままノリでいくんで、そういう部分は見ていただけるとうれしいなと思います。
――今日はたくさんのお客さんが見えて、パラスポーツへの期待を感じられたと思います。会場の雰囲気はいかがでしたか。
松本 僕自身も、会場の雰囲気がこんな感じなのかなという気持ちで今日過ごしていたんですけど、本当に会場一体がワクワク、ドキドキしているような熱量を感じましたし、こうやってステージが始まった瞬間に、これから始まっていくんだなと。
そして開会式を見ていると、みんなでだんだん一つになっていく空気が高まっていたし、僕自身もすごく楽しかったです。見ているお客さんの皆さんも楽しんでいただけたらなと思います。今回こういうきっかけで、(パラ大会は)意義のあることなので、もちろん日本を応援しますし、みんなで応援して、スポーツとして、さまざまな競技で、世界が一つになればいいなとすごく感じました。

個別インタビュー「私はできない」じゃなくて「やるんだ、できるんだ」
囲み取材のあと、しゃちほこニュースが個別に話を聞きました。11月6日に公開される映画『4アウト ─もう一度、プレイボール─』は、東京で初めて結成された身体障害者野球チームの創設にまつわる実話がもとになっています。松本さんは、聴覚障害のある泉邦衛役で、相葉雅紀さん演じる主人公に監督就任を頼み込む人物を演じました。
――来月『4アウト』が公開されるタイミングでアジアパラが開かれます。パラスポーツやアスリート、障害のある方と関わることが多かったと思いますが、そこから感じたこと、学んだことはありますか。
松本 僕は、映画の中でいろいろと障害の方とコミュニケーションを取らせていただいたんですけど、初め、正直、自分からどういうふうにコミュニケーションを取ればいいのかなというふうに考えていたんです。でもむしろ、その障害者の方のほうが気づかってコミュニケーションを取ってくれて、そこからいろんなお話を聞かせていただいて。
実際、障害者の中でも軽度の方とか重度の方っていらっしゃると思うんですけど、その方みんなから感じたことっていうのは、「僕は、私はできない」じゃなくて、「やるんだ、できるんだ」っていう強い意志を感じたんですよね。
今回その映画の中で言うと障害者野球だったんですけど、腕のない人がボールを投げる、みたいな。普通で考えると「できないでしょ」って思うかもしれないけど、それを「できる」に変えていくっていうエネルギーがものすごく強かったなと思ったときに、「俺、何やってんだろうな」って、逆にこっちが奮い立たせられる。
夢とか希望とか、そういった言葉をものすごく感じたんで、僕は本当にエネルギーをもらって、こんな僕らでも何かできることないかなって。そして、この社会の中で、障害があって生活しづらいかもしれないけど、一言、声をかけ合うのってすごく大事だなと思いました。少しの優しさとか、ちょっとしたコミュニケーションとか、そういうものがあるだけで、もっともっと住みやすい世の中になっていくのかなっていう…。優しい社会になってほしいなっていうのは感じました。

「自分の好きなダンスを、自分のたった一回の人生の中で続けていくんだ」
松本さんは2007年に指定難病のベーチェット病を公表し、病気と向き合いながら2015年末までEXILEのパフォーマーを続けました。乗り越えられた原動力を聞きました。
――松本さんご自身もご病気を公表されていますね。大変なこともたくさんあったと思います。そこを乗り越えられた原動力、源はありますか。
松本 これはやっぱりもう本当に、自分一人だと潰れてしまうようなときもあったんですけど、僕にはありがたい環境がありました。メンバー、仲間、友達がいて、そしてそれをまた見てくれるスタッフの方々がいて、そんな環境の中で活動させてもらったので、本当に支えになったし、ありがたかったし、いろんな僕のわがままも聞いてくださったし、そして何より、応援してくれるファンの皆さんの存在というのが、本当にやっぱり一番大きかったですね。
だから、あとは自分の好きな、もう本当にどうなってもいいから、自分の好きなダンスを、自分のたった一回の人生の中で続けていくんだっていう思いで活動しました。
――障害のある人ない人関わらず、いろんな悩みを持っている人が多いと思います。先ほどの「仲間」「環境」という話もありましたが、悩んでいる人に言葉をかけるとしたら、どんな言葉をかけたいですか。
松本 人によって感じる角度が変わることがあるかもしれないんですけど、やっぱり「無理をしないでほしいな」っていうこと。無理をして、頑張りすぎなくてもいいんだなって僕は感じたところが結構多々ありました。頑張りすぎたことによって、逆に皆さんに迷惑をかけたこともあったりもしたんです。
そして、もっと周りを頼ってもいい。なかなかそういう勇気が出ないとは思うんですけど、もっと頼っていいと思います。
その代わりと言いますか、障害を持っている方にコミュニケーションを取るのって、意外と健常者の方って難しいと思うんですけど、本当に一言でいいと思うんですよね。「お手伝いしましょうか」とか「何か必要ですか」とか、そういったちょっとした優しさを持つだけで、すごく住みやすく、生きやすくなるのかなというふうに感じます。お互いが尊重し合って、なかなかコミュニケーションが難しい世の中ですけど、ちょっとした優しさが必要かなというふうに感じますね。
注目は車いすバスケットボールと、「意外とハマる」ボッチャ
――『4アウト』で障害者野球に挑戦されましたが、今回のアジアパラには野球がありません。注目している競技やポイントはありますか。
松本 注目している競技は、車いすのバスケットボール。僕は一度見させていただいたんですけど、すごい熱量で、すごいテクニックで試合をされているのを見て、本当に選手の皆さんをリスペクトするっていう気持ちになりました。あんなに激しいと思わなかったので、びっくりしたんですけど、選手の皆さんの生き生きとした表情だったり、熱気っていうものを僕は肌で感じたんで、ものすごく注目しています。
そして、ここでやっているボッチャもですね。誰しもが結構できるスポーツだと思うので、やってみてほしいなと思います。意外とハマる、そして意外と難しい。戦略をちゃんと立てないと勝てないんだなっていうところにいくと、結構、沼にハマっていくので、奥深いスポーツかなと感じています。

『4アウト』の見どころ「諦めない気持ち」「夢を追いかける思い」
――最後に、パラ大会のあと、11月に『4アウト』が公開されます。見どころを教えてください。
松本 今回のこの映画は、実際に障害を持った方々が障害者野球のチームを組んで、試合をしていくという内容なんですね。その中で、すごいなと思ったのは、実際の本当の障害の方が初めて役者として出るっていうことも、すごく見ていただきたいなと思います。それも皆さんの挑戦なんですよね。その挑戦も見ていただきたいなと思いますし、本当に障害者なのかって思うぐらいの野球をするんです。
だからそれを見たときに、諦めない気持ちとか、夢を追いかける思いとか、そういった熱い思いがこの映画の中にはものすごく詰まっていると思うので、ぜひ見ていただきたいと思いますし、何か必ず感じるものがあると思います。なので、ぜひ劇場で見ていただけたらなと思います。
――ありがとうございました。
松本利夫さんのプロフィール
1975年生まれ、神奈川県川崎市出身。2001年にEXILEとしてデビューし、2007年からは俳優としても映画・舞台・ドラマで活動。同年、指定難病のベーチェット病を患っていることを公表しました。2015年末にEXILEのパフォーマーを卒業したあとも、EXILEのメンバーとして舞台や映画に出演しています。2026年は9月に舞台『呪怨 THE LIVE -再念-』に出演、10月12日にはTBS「CDTVライブ!ライブ!」のEXILE結成25周年企画でÜSAさん、MAKIDAIさんとともに再集結しました。11月6日公開の映画『4アウト ─もう一度、プレイボール─』では、聴覚障害のある泉邦衛役を演じています。

「一瞬の輝きは表に出ている時だけ」。トークショーでそう語った松本さんは、囲み取材では「その選手が頑張った姿が見どころ」と、裏側の努力にこそ目を向けてほしいと重ねました。映画の現場で障害のある人たちから受け取ったという「やるんだ、できるんだ」という意志と、「一言、声をかけ合う」ことの大切さ。アジアパラの7日間、オアシス21で、競技会場で、その言葉を思い出しながら選手を応援したいと思います。『4アウト ─もう一度、プレイボール─』は11月6日から全国公開です。
ONE HEART WORLDはどんなイベント?
ONE HEART WORLD(ワン ハート ワールド)は、第5回アジアパラ競技大会の大会公式セレブレーション・ファンゾーンです。10月18日(日)から24日(土)まで、オアシス21のアジアパラ競技大会ライブサイトの中で開かれ、入場は無料です。19日からは水谷隼さん、松田丈志さん、潮田玲子さんらが日替わりで登壇する「レジェンドアスリートトークショー」、20日から23日はメダリストや出場選手を迎える「アスリートセレブレーション」が予定されています。日別の登壇ゲストと時間割はONE HEART WORLDの記事、ライブサイトのステージや体験コーナーはライブサイトの記事にまとめています。
| 名称 | ONE HEART WORLD(ワン ハート ワールド) |
| 期間 | 2026年10月18日(日)〜24日(土) |
| 時間 | 19〜23日 18:00〜20:00/24日 17:00〜20:00(公式サイトのスケジュール。変更の場合あり) |
| 会場 | オアシス21(名古屋市東区東桜1-11-1)アジアパラ競技大会ライブサイト内 |
| 入場料 | 無料 |
| 公式サイト | oneheartworld-aichi-nagoya2026.org |
映画『4アウト ─もう一度、プレイボール─』
| 公開 | 2026年11月6日(金)全国公開 |
| 内容 | 東京で初めて結成された身体障害者野球チーム「東京ブルーサンダース」の創設にまつわる実話をもとにした物語。原作は平山讓さんのノンフィクション小説『4アウト ―ある障害者野球チームの挑戦』 |
| 出演 | 相葉雅紀さん、黒島結菜さん、松本利夫さん(泉邦衛役)ほか |
| 公式サイト | 4out-movie.com |
同じ日のトークショーと囲み取材で、SKE48の倉島杏実さんと松本慈子さんが語った「応援する側」としての言葉は、SKE48の2人のインタビュー記事にまとめています。開会式の演出や出演者は開会式の記事、開会式とONE HEART WORLDの比較は比較記事をどうぞ。
あわせて読みたい:SKE48 倉島杏実さん・松本慈子さんインタビュー|「いただいた愛以上の愛を」二人が語る応援の力とは【アジアパラ2026・ONE HEART WORLD】
よくある質問(FAQ)
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松本利夫さんはONE HEART WORLDのいつ登壇しましたか?
2026年10月18日(日)17時30分からのオープニングトークショーに、スペシャルゲストとして登壇しました。会場はオアシス21のアジアパラ競技大会ライブサイト内です。
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松本利夫さんがアジアパラで注目している競技は?
車いすバスケットボールです。「すごい熱量で、すごいテクニックで試合をされているのを見て、本当に選手の皆さんをリスペクトするという気持ちになりました」と話しました。ボッチャについても「意外とハマる、そして意外と難しい」と、体験をすすめています。
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映画『4アウト』はいつ公開されますか?
2026年11月6日(金)に全国公開されます。身体障害者野球チーム「東京ブルーサンダース」の創設にまつわる実話がもとで、松本利夫さんは聴覚障害のある泉邦衛役で出演しています。
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ONE HEART WORLDはいつまで開かれていますか?
2026年10月24日(土)までです。オアシス21のライブサイト内で、入場無料です。19日以降は毎日、レジェンドアスリートトークショーがあり、20日から23日はアスリートセレブレーションが予定されています。
※この記事は2026年10月18日のONE HEART WORLDオープニングトークショー、囲み取材、しゃちほこニュースの個別インタビューをもとにしています。ONE HEART WORLDの日程・出演者は変更される場合があるので、最新の情報は公式サイトで確認してください。