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アジアパラはここを見る|聖火ランナー12人の言葉から選んだ注目ポイント7つ(人間の可能性・チェアワーク・当たりの激しさ・道具の進化)【名古屋2026】

10月18日(日)に開幕した愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会。パラ競技を初めて見る人は、「どこを見ればいいのか」が分からないまま会場に行くことになりがちです。

しゃちほこニュースは、開幕前の聖火リレー3日間(10月15〜17日)で、パラ陸上の連盟会長、元オリンピック選手、パラの日本代表、アスリートを取材するキャスターなど12人に話を聞きました。その中で何度も出てきたのが、人間の可能性、体の使い方、当たりの激しさ、道具の進化といった、見るときの手がかりになる話です。この記事では、12人の言葉から「注目のポイント」を7つに整理しました。会場でも配信でも、この7つを頭に入れておくと、競技がぐっと面白くなります。

ポイント教えてくれた人
1. 人間の可能性を見る増田明美さん、大堂秀樹さん、つボイノリオさん
2. 体の使い方を見る小椋久美子さん
3. 激しさを見る山下健二郎さん、荒木絵里香さん、舟阪育枝さん
4. 道具を見る富川悠太さん
5. 地元の選手と会場を見る清水由紀さん、風間俊介さん、神戸浩さん
6. 声を出して応援する風間俊介さん、清水由紀さん、河村優愛さん
7. 子どもと一緒に見る増田明美さん、荒木絵里香さん

ポイント1:人間の可能性を見る。「失ったものを数えるな」

日本パラ陸上競技連盟の会長で、選手たちと合宿をともにしている増田明美さんは、選手たちが大切にしているという「パラリンピックの父」グットマン博士の言葉を教えてくれました。

「『失ったものを数えるな、今あるものを最大限生かしていきましょう』っていう、パラリンピックの父のグットマン博士の言葉を大切にしながら頑張ってるんですよね」

今大会にパラ・パワーリフティングの日本代表として出場する名古屋市生まれの大堂秀樹さんは、競技歴30年。障害者になってベンチプレスを始めたころを「まだ何者でもない、ただの障害者でベンチプレスを始めたっていうだけの人でした」と振り返り、こう続けました。

応援に駆けつけた家族や仲間と日の丸を掲げる大堂秀樹さん|アジアパラ聖火リレー
パラ・パワーリフティング日本代表の大堂秀樹さん(10月17日、名城公園)

「何者かになるチャンスは、すべての人が持っていると思うので、そのチャンスを見逃さないように、しっかりと生きてほしいなって思います」

ラジオパーソナリティーのつボイノリオさんは、自分の緑内障を引き合いに「みんな完璧な人っていないんですよ」と言い、諦めずに頑張る選手たちの意識を「僕は本当に見習わないかんなというふうに思いました」と話しました。トヨタイムズのキャスター・富川悠太さんも、子どもたちへのメッセージとして「やっぱりアスリート、パラアスリートを見ていれば分かると思うんですけれども、とにかく不可能なことはない」と語っています。

神戸浩さんとの関係を語るつボイノリオさん
「みんな完璧な人っていないんですよ」と話すつボイノリオさん(10月17日、名城公園)

ポイント2:体の使い方を見る。車いすの「チェアワーク」は足のフットワーク

小椋久美子さん(アジアパラ聖火リレー・白川公園)
車いすバドミントンを自分でも体験してきた小椋久美子さん(10月16日、白川公園)

あいちパラスポーツアンバサダーとして、車いすバドミントンなどを自分でも体験してきた元バドミントン日本代表の小椋久美子さん。パラバドミントンの見どころを聞くと、車いすの選手の動きを挙げました。

「車いすに関しては、チェアワークの巧さ、もう足のように本当にフットワークみたいな感じでチェアワークをして、チェアワークをしながら打つショット一つ一つの正確性とかが本当にすごいので、そういったところも見てもらいたいです」

小椋さんは、選手が自分の体と向き合う姿そのものも見どころだと言います。「それを理解しながら、どういったバランスでどういうふうに競技をしたらいいんだろう、それを最大限発揮するのはどうしたらいいんだろうっていうことを、うまく体と向き合いながら競技をされていることがすごいなっていうふうに思っています」。そして、そこから自分の日常への発見もあるそうです。「プレーを見ていて、『あ、こういうふうに体を使えばいいのかな』というような発見とかもすごくあったりもします」

ポイント3:激しさを見る。車いす同士が「ガッシャン」とぶつかる

パラ競技は静かで穏やか、という思い込みは、車いすバスケットボールを見ると消えます。中学・高校でバスケットボールをしていた三代目 J SOUL BROTHERSの山下健二郎さんは、こう話しました。

司会を務めた山下健二郎さん
グランドゴールの司会を務めた山下健二郎さん(10月17日、名城公園)

「中高でバスケット部だったので、車いすバスケですね。本当に当たりがすごいんですよね。車いす同士がガッシャンってぶつかって、すごく迫力のあるエネルギッシュなスポーツですので、ぜひそういうところに注目してほしいと思います」

「迫力」は、ほかの人も口にした言葉です。ロンドン五輪バレーボール銅メダリストの荒木絵里香さんは「本当にパラならではの迫力であったりとか、面白さっていうのがすごくあると思うので」と話し、シッティングバレーボールについては「本当に『おおっ』て思うようなプレーがたくさんあって、私自身も見るのが楽しみです」。ソフトボール選手の舟阪育枝さんは、ランナーに決まってからパラ競技を調べて、「やっぱり迫力がなんか違うなというか、どんな困難にも立ち向かうような姿勢がすごくスポーツにも表れていて」と感じたそうです。

荒木絵里香さんインタビュー
シッティングバレーボールを「見るのが楽しみ」と話した荒木絵里香さん(10月15日、STATION Ai)

ポイント4:道具を見る。進化する器具に日本の技術が詰まっている

ゴールのあと、2本のトーチを掲げる富川悠太さんと舟阪育枝さん
聖火をつないだ富川悠太さんと舟阪育枝さん(10月17日、名城公園)

競技用の車いす、義足、投てき用のいす。パラ競技には、選手ごとに違う道具があります。トヨタ自動車の「トヨタイムズ」でアスリートを取材している富川さんが、真っ先に挙げたのがこの道具でした。

「器具もすごいどんどん進化していて、そこに日本の技術っていうのが詰まっているので、その選手たちの超人的なプレーっていうのも、ものすごく楽しいです。どんどん進化していく器具っていうのを見るのがすごく楽しくて」

富川さんは、パラアスリートが車づくりにも関わっていることを取材してきた立場から、「そういったところにも皆さんに注目してほしい」と話しました。選手の動きだけでなく、道具の形や素材に目を向けると、同じ種目でも選手ごとの違いが見えてきます。

ポイント5:地元の選手と会場を見る。刈谷の車いすラグビー、一宮の小田凱人選手

風間俊介さん・清水由紀さん・山下健二郎さん 囲み取材
グランドゴール後の囲み取材に応じた山下健二郎さん、風間俊介さん、清水由紀さん(10月17日、名城公園)

愛知・名古屋で開かれる大会だからこそ、地元につながる選手や会場があります。刈谷市出身の女優・清水由紀さんは「やっぱり自分の出身である刈谷でも車いすラグビーが行われるということで、やっぱりそこは絶対に見逃せないなという気持ち」と話し、長年パラリンピックを取材してきた風間俊介さんが横から「車いすラグビー、パリ大会の時最高だったんで、今もう絶好調にノリに乗ってるチームなので、めちゃくちゃ面白いはずですよ」と言い添えました。車いすラグビー日本代表は、パリ2024パラリンピックの金メダルチームです。

俳優の神戸浩さんが「小田凱人さん、頑張れー」と名前を挙げた車いすテニスの小田凱人選手は、つボイさんと同じ一宮市の出身です。つボイさんは「一宮の誇りです」と話しました。名古屋市生まれの大堂さんが出場するパラ・パワーリフティングは、10月19日(月)から24日(土)まで名古屋市中小企業振興会館(吹上ホール)で行われます。

ポイント6:声を出して応援する。「今回は大きな声援の中で」

風間俊介さんが聖火皿に点火|アジアパラ聖火リレー グランドゴール
最終ランナーの風間俊介さんが聖火皿に点火(10月17日、名城公園)

見るだけでなく、声を出す。これも12人の多くが挙げた「注目のポイント」です。聖火リレーの最終ランナーを務めた風間さんは、無観客だった東京パラリンピックに触れて、こう話しました。

「東京大会、東京パラリンピックの時に無観客で、自国開催の時に多くの声援を受けることができなかった、その悔しさとかを持っている選手、そしてそれも知らない選手もいるかもしれないけど、けど今回は大きな声援の中で大きく羽ばたいていってもらいたいなと思っています」

声援の力は、走った人たちが身をもって感じたことでもあります。清水さんは沿道の声を「本当に自分の力になるんだなっていうのをよく分かったので、身に染みたので、きっとこの力がまた選手たちにつながるんだろうなっていう気持ちになりました」と話し、SKE48の河村優愛さんは「選手の方々の頑張りによって、私たちもエールをもらえます」と、応援する側がもらうものを口にしました。神戸さんの「人気の見るやつはあるんだけど、それ以外はなんか数が少ない、観客が少ないから、皆さん見に来てください」という言葉も、覚えておきたい一言です。

ポイント7:子どもと一緒に見る。「当たり前のように多様性がある」

増田さんは、子どもたちにこそ会場に来てほしいと言います。

増田明美さんインタビュー
子どもたちに「まず見に来てほしいな」と語った増田明美さん(10月15日、STATION Ai)

「どの競技場の中にも、体育館でも、競技場でも水泳会場でも、どの競技場の中にも、当たり前のように多様性があるじゃない。だからそういうものを見てる子どもたちっていうのは、もう当たり前のように大人になっても共生社会というか、みんな違ってみんないいんだっていうことで生きていける」

組織委員会のアスリート委員として名古屋の学校を訪ねてきた荒木さんも、「このアジア大会が子どもたちのいいレガシーになっていくことをすごく楽しみにしています」と話しています。

どこで見る? 12人が挙げた競技の会場と配信

12人の言葉に出てきた競技を、会場と配信の有無とあわせてまとめました。配信は、名古屋のテレビ5局が運営する「Locipo(ロキポ)」が無料で生配信する8競技のうち、該当するものです。会場と日程は大会公式サイトの競技スケジュールで確認してください。その他にも魅力的な競技がたくさんあるので、会場や配信でぜひご覧ください!

競技会場ロキポの配信
パラ陸上競技パロマ瑞穂スタジアムあり
パラバドミントン一宮市総合体育館あり
車いすバスケットボール公式サイトで確認あり
ボッチャ公式サイトで確認あり
車いすラグビーウィングアリーナ刈谷なし
シッティングバレーボール公式サイトで確認なし
車いすテニス公式サイトで確認あり(21〜23日)
パラ・パワーリフティング吹上ホール(10月19〜24日)なし

ロキポの配信は会員登録がいらず、12月末までアーカイブ配信も予定されています。見方と日別の予定はロキポの配信の記事に、会場に持ち込めるものや手荷物検査の流れは持ち物の記事にまとめています。栄のオアシス21では、10月24日(土)までライブサイトが開かれています。

人間の可能性、体の使い方、激しさ、道具、地元、声援、そして子どもと一緒に。7つのうち一つでも頭に入れて会場や配信を見れば、パラ競技は「よく分からないもの」ではなくなります。大会は10月24日(土)まで。増田さんの言葉を借りれば、「とにかくね、会場に見に来てほしい」です。


12人のインタビュー記事

よくある質問(FAQ)

  • パラ競技を初めて見るとき、どこに注目すればいいですか?

    聖火ランナー12人の言葉から整理すると、人間の可能性、体の使い方(車いすのチェアワーク)、激しさ(車いす同士のぶつかり合い)、道具(競技用車いすや義足などの器具)、地元の選手と会場、声を出して応援すること、子どもと一緒に見ることの7つです。

  • アジアパラ競技大会は配信で見られますか?

    名古屋のテレビ5局が運営する「Locipo(ロキポ)」が、開会式とパラ陸上競技・パラバドミントン・ボッチャ・パラ水泳・パラ卓球・車いすバスケットボール・車いすフェンシング・車いすテニスの8競技を無料で生配信します。会員登録は不要で、12月末までアーカイブ配信も予定されています。

  • 愛知にゆかりのある選手や競技はありますか?

    車いすラグビーは刈谷市のウィングアリーナ刈谷で行われ、刈谷市出身の清水由紀さんが「絶対に見逃せない」と話しました。車いすテニスの小田凱人選手は一宮市出身、パラ・パワーリフティング日本代表の大堂秀樹さんは名古屋市生まれで、吹上ホールで行われるパラ・パワーリフティング(10月19〜24日)に出場します。

取材:2026年10月15日 鶴舞公園・STATION Ai、16日 白川公園、17日 名城公園(いずれも名古屋市)。肩書は取材時のものです。会場・配信の情報は大会公式サイトとLocipoの発表(10月18日時点)によります。

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