アジアパラ競技大会3日目の2026年10月20日(火)、オアシス21(名古屋市東区)のONE HEART WORLD「アスリートセレブレーション」に、前日のパラ陸上男子200m T64で銀メダルを獲得した井谷俊介選手が登壇しました。10年前、愛知県内で事故にあって右脚を失い、義足のスプリンターになった31歳。19日の決勝は1位の大島健吾選手、3位の田巻佑真選手と日本勢で表彰台を独占しました。ステージのあとのミックスゾーンで、かつて「世界一不幸な自分」と語っていた時期から、この日までをどう乗り越えたのかを聞きました。

| 名前 | 井谷俊介(いたに・しゅんすけ)選手 |
| 競技 | パラ陸上 T64(片脚の膝下切断など)。100m・200m・走り幅跳び |
| 今大会 | 10月19日、パロマ瑞穂スタジアムの男子200m T64決勝で23秒52の2位。1位は大島健吾選手(23秒24の大会新)、3位は田巻佑真選手で日本勢が表彰台を独占。22日(木)は走り幅跳びに出場 |
| 経歴 | 1995年生まれ、31歳。三重県出身。右脚の膝から下を失い義足に。競技開始から10か月の2018年ジャカルタ・アジアパラで優勝。2019年の世界パラ陸上で日本人初の100m決勝進出。パリ2024パラリンピックのファイナリスト |
「直接メダルを取った姿を見せられて、すごくいい場所だな」
ステージでは「最高です」と一言。続けて「200メートル(銀)メダルでした。でもたくさんの人が喜んでくれて、すごい嬉しかったです。明後日は走り幅跳びで出場します。幅跳びの方で金メダルを取って、もっとたくさんの人を喜ばせたい」と会場に呼びかけました。ミックスゾーンでは、まずステージの感想を尋ねました。

――このステージに上がった感想を。
井谷 昨日応援に来ていただいた皆さんで、また今日この場にも来てくださった方がたくさんいて、直接メダルを取った姿っていうのを見せられて、すごくいい場所だな、いいこういうイベントだなというふうに感じました。
「10年前にこの愛知県で足を失う事故にあって、10年経って今この愛知の場所で自分が走ることで」
――以前「世界一不幸な自分」と話していたと思います。そう感じていた時期から、このメダル獲得までどう乗り越えましたか。
井谷 今日、レース終わっていろいろ思い返していく中で、10年前にこの愛知県で足を失うっていう事故にあって、10年経って今この愛知の場所で自分が走ることで、当時苦しませた、悲しませたみんなが笑顔になっているスタンドを見れたんですよね。
その時に本当に、あの時は自分が世界で一番不幸だとか、かわいそうだとか、自分がすごく嫌いだって思ってた。でも10年経ってやっと、そういう自分がいなくなって、みんなの喜んでる姿っていうのが、ネガティブな自分の人生をすべて良かったように意味を持たしてくれたなっていう、すごいいい大会、いいレースだったなというふうに思います。

――今、ネガティブな気持ちでいる人にアドバイスするとしたら、どんな言葉を送りますか。
井谷 まずやってみるっていうのが一番大事かなと思っています。僕自身も昨日のレースでも、年齢的にも、体の怪我の状態的にも、結構厳しい戦いになってくるなっていう、困難な壁が多かったんです。まずそこにネガティブな思いを持つんじゃなくて、まず自分の全力を尽くす、まずやってみるって思いで走ったら、あれだけの勝負ができたので。
ネガティブを持って進まないんじゃなくて、まずやってみる、挑戦するっていう思いをみんなにも感じてもらえたらいいなと思っています。
「みんなの喜ぶ顔が見たいからこそ、このイベントに参加しました」
――明後日に走り幅跳びを控える中で、このイベントに参加した理由は。
井谷 明後日の走り幅跳びを思うと、休息を入れた方がいいんですけど、直接応援してくれる人たちに会って、みんなにメダルを見せれて、またおめでとうと直接もらえる。やっぱりそのみんなの喜ぶ顔が見たいからこそ、このイベントに参加しました。
――競技場で応援される声とはまた違った良さがありますか。
井谷 競技場に来てくださるのは、僕を応援してくれているファンの方たちで、今日ここだと、ゴール裏の人たちも拍手を止めて見てくれて、応援してくれて、またそういう魅力をいろんな人たちに伝えられるようないい環境、いい場になるんじゃないかなと思います。
――地元の皆さんへ、改めて一言をお願いします。
井谷 地元の皆さんの応援がいつも力になっています。もうダメかもしれないなっていう時も、やっぱりみんなの思いだったり応援っていうのがいつも背中を押してくれて、前へと進んでくることができました。改めて感謝しています。その皆さんに、思いっきりの喜びを届けられるような大ジャンプをしたいと思っております。
――ありがとうございました。

井谷俊介選手のプロフィール
1995年生まれ、31歳。三重県出身。もともとプロのレーサーを目指していましたが、事故で右脚の膝から下を失い、義足で走り始めました。競技を始めて10か月の2018年、ジャカルタのアジアパラ競技大会で優勝。2019年の世界パラ陸上では日本人として初めて100mの決勝に進み、100mと200mのアジア記録を持ちました。パリ2024パラリンピックのファイナリスト。愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会は200m T64で銀メダルを獲得し、10月22日(木)19時17分からパロマ瑞穂スタジアムで行われる走り幅跳び(T44/T62/T64)にも出場します。

「10年前にこの愛知県で足を失う事故にあって、10年経って今この愛知の場所で自分が走ることで、当時苦しませた、悲しませたみんなが笑顔になっているスタンドを見れた」。井谷選手にとって、瑞穂の200mは順位以上の意味を持つレースでした。「まずやってみる」という言葉は、同じ場所で22日に飛ぶ走り幅跳びにも向いています。
ONE HEART WORLDはどんなイベント?
ONE HEART WORLD(ワン ハート ワールド)は、第5回アジアパラ競技大会の大会公式セレブレーション・ファンゾーンです。10月18日(日)から24日(土)まで、オアシス21のアジアパラ競技大会ライブサイトの中で開かれ、入場は無料です。19日から24日は水谷隼さん、松田丈志さん、潮田玲子さんらが日替わりで登壇する「レジェンドアスリートトークショー」、20日から23日はメダリストや出場選手を迎える「アスリートセレブレーション」があります。日別の登壇ゲストと時間割はONE HEART WORLDの記事、ライブサイトのステージや体験コーナーはライブサイトの記事にまとめています。
| 名称 | ONE HEART WORLD(ワン ハート ワールド) |
| 期間 | 2026年10月18日(日)〜24日(土) |
| 時間 | 19〜23日 18:00〜20:00/24日 17:00〜20:00(公式サイトのスケジュール。変更の場合あり) |
| 会場 | オアシス21(名古屋市東区東桜1-11-1)アジアパラ競技大会ライブサイト内 |
| 入場料 | 無料 |
| 公式サイト | oneheartworld-aichi-nagoya2026.org |
同じ日のミックスゾーンで聞いた選手の言葉は、ムスタファ・ラディ選手、櫻井徹也選手、唐澤剣也選手とガイドランナーの清水琢馬さん・堀越翔斗さんのインタビュー記事にまとめています。この日のトークショーとアスリートセレブレーションの流れはイベントのレポ記事をどうぞ。前日19日のトークショーは19日のレポ、小須田潤太さんと伊藤則子さんの話はインタビュー記事にあります。
よくある質問(FAQ)
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井谷俊介選手の200mの結果は?
2026年10月19日、愛知・名古屋アジアパラ競技大会のパラ陸上男子200m T64決勝で23秒52の2位、銀メダルでした。1位は大島健吾選手(23秒24の大会新記録)、3位は田巻佑真選手で、日本勢が表彰台を独占しました。
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井谷選手の次の種目はいつですか?
走り幅跳び(T44/T62/T64)です。10月22日(木)19時17分からパロマ瑞穂スタジアムで行われます。
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井谷選手はどんな選手ですか?
1995年生まれ、三重県出身、31歳の義足のスプリンターです。事故で右脚の膝から下を失い、競技開始から10か月の2018年ジャカルタ・アジアパラで優勝。2019年の世界パラ陸上で日本人初の100m決勝進出、パリ2024パラリンピックのファイナリストです。
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井谷選手はONE HEART WORLDのいつ登壇しましたか?
2026年10月20日(火)19時からのアスリートセレブレーション初日の第2組として、唐澤剣也選手とガイドランナー2人と一緒に登壇しました。
※この記事は2026年10月20日にオアシス21のONE HEART WORLDで行ったしゃちほこニュースと他社記者によるミックスゾーンの囲み取材をもとにしています。発言は本人の言葉のままで、口ぐせのみ省いています。ONE HEART WORLDの日程・出演者は変更される場合があるので、最新の情報は公式サイトで確認してください。