アジアパラ競技大会3日目の2026年10月20日(火)、オアシス21(名古屋市東区)のONE HEART WORLDで、大会に出場した選手を街の中で迎える「アスリートセレブレーション」が始まりました。
初日に登壇したのは、19日のパラ柔道で日本勢金メダル第1号となった半谷静香選手、同じ柔道の藤原由衣選手、瀬戸勇次郎選手、櫻井徹也選手、パラパワーリフティング男子59kg級で212kgの世界新記録を出したイラクのムスタファ・ラディ選手、そしてパラ陸上の井谷俊介選手と、5000m T11で大会新記録の金メダルを取った唐澤剣也選手とガイドランナーの清水琢馬さん・堀越翔斗さんの計9人。
その前の「レジェンドアスリートトークショー」には、車いすバスケットボールの根木慎志さん、ラグビーの大畑大介さん、ショートトラックの勅使川原郁恵さん、アーティスティックスイミングの青木愛さんが登壇し、広沢一郎名古屋市長、日本代表選手団の三阪洋行団長と谷本歩実副団長も駆けつけました。18時30分から約1時間のステージの流れを、写真と言葉でお届けします。

| 登壇者 | 競技 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 根木慎志さん | 車いすバスケットボール | シドニー2000パラリンピック男子日本代表キャプテン。東京2020大会の選手村副村長。18日の開会式では日本国旗を運ぶ旗手の1人 |
| 大畑大介さん | ラグビー | ラグビーワールドカップ1999・2003年出場。国際試合69トライの世界記録保持者。2016年ワールドラグビー殿堂入り |
| 勅使川原郁恵さん | ショートトラック | 1998年長野から3大会連続でオリンピック出場。愛知女子高校・中京大学の出身 |
| 青木愛さん | アーティスティックスイミング | 2008年北京オリンピックにチーム種目で出場(5位入賞)。京都府出身 |

トークショー「国際大会がここにやってくるとは、住んでる時に思わなかった」
トークショーの最初の話題は、日本で初めて開かれるアジアパラ競技大会への思い。高校と大学を愛知で過ごした勅使川原さんは、街の変化をこう話しました。
勅使川原 本当に嬉しいです。この大会の街も、どんどん新しく変わってるんですよ。変わってると同時に、国際大会がここにやってくるとは、私が住んでる時に思わなかったので、今回は本当に嬉しいです。そして、子どもたちも国際大会を見ることができる機会が増えたので、とても嬉しく思っております。
18日の開会式で日本国旗を運ぶ旗手を務めた根木さんは、その時の心境を聞かれました。
根木 本当にフラッグベアラーということ自体が、誰もが体験することはないですよね。まずそのお話をいただいた時に、この大会に関われる……。何よりも、実際その時どうでしたかって言ったら、もう無心だったんで、緊張とかもぶっ飛んでしまってたんですけど。
MCが「それだけでも大役を務められた」と受けると、「本当に感謝しています」。

ラグビーの大畑さんには、車いすラグビーを実際に見た感想が向けられました。
大畑 さまざまな競技、仕事の関係上、いっぱいいろいろやってますけど、いやー、激しいですね。
一般のラグビーとの違いを聞かれて、こう続けました。
大畑 やっぱりラグビーっていうところで言うと、コンタクトもあるんですけど、それぞれのカテゴリー、自分の障害度っていうところで含めても、我々のラグビーもやっぱりその体のサイズがバラバラですし、それぞれのキャラクターの特性も違うんで、そういうそれぞれの人間が、チームの戦い方、戦略によってどうやって動いていくのか。そしてまた時間の中での配分ですよね。タイムマネジメント、エリアマネジメント、そういったところをやってると面白いです。でも、(車いす)ラグビーの一番の要素は激しさ、そこですね。そういったところをぜひ注目して見てほしいなと思います。
注目している競技を聞かれた青木さんは、迷わず「ボッチャ」。体験会に出たときの話で会場を沸かせました。
青木 私は、(ボッチャを)体験させてもらったこともあります。体験会に出させていただいて、一緒に同じチームで出させていただいたことがあるんですけど、すごい戦略が必要で、あと、ここやと思っても、投げる速さとか全然当たり方も違うので、見ててわーってなります。
この方は自分で投げれない方だったんですけど、補助の方に「ここ」って言って、彼もどこに置くかによってスピードも変わるから、本当に信頼関係が補助の方と一緒にできてないと、あれは勝てない競技だなと思って。

トークのあとは、4人全員の直筆サインが入ったチームジャパンの大会ウェアを、会場の3人にプレゼント。子ども2人と大人1人が選ばれ、ステージで記念撮影をしました。

広沢市長、三阪団長、谷本副団長もステージに
18時45分ごろ、日本代表選手団の三阪洋行団長(車いすラグビー元日本代表)と谷本歩実副団長(柔道でアテネ・北京の金メダリスト、愛知県安城市出身)、そして広沢一郎名古屋市長が登壇しました。
広沢市長 皆さんお越しいただきましてありがとうございます。今日ね、序盤ということで、このアジアパラ大会、まさに幕が開いたばかりということでございますけど、今日は実際のアスリートと間近に触れ合えるということで、ぜひお楽しみください。また今週ずっとやってますから、会場も見に行ってくださいね。
三阪団長 こんなにパラスポーツに興味を持って来ていただいて、すごい嬉しいなというのと、大会が始まって、初日から日本選手大活躍なので、皆さん見ていただいて。先ほどもパラ卓球で岩渕選手と舟山選手の金メダルを獲得していただいて、日本選手の絶好調なのでね、このパラスポーツ、一緒に応援して盛り上げてもらいたいなと思ってますので、よろしくお願いします。
谷本副団長 すごい盛り上がりなんです。すごく嬉しい。ぜひ皆さん、選手を祝福してください。おそらく非常に緊張していると思います。ぜひぜひ温かく迎えてください。

続いて、このあと登場する選手に花束を渡す「フラワーエスコート」9人を会場から選ぶ時間。市長、団長と副団長、レジェンドの4人が順に、手を挙げた観客の中から選びました。

選手の登場前には、会場全員で「おめでとう」を言う練習も。大畑さんは、こう続けました。
大畑 このアジア大会って、やっぱり世界に日本を発信するステージだと思いますよ。そういう中で、我々の気持ちを一つにするのは、スポーツする人、サポートする人、応援する人、この三位一体なんですよ。
「こっちから発信じゃなくて、皆さんからの発信が一番選手は嬉しい」と、音頭は会場から選ばれた1人に。全員の「せーの、おめでとう!」のあとは、イラクの選手のためにアラビア語の「おめでとう」=「マブルーク」の練習も。こちらは三阪団長の音頭で、「せーの、マブルーク!」の声がオアシス21に響きました。

アスリートセレブレーション第1組。半谷静香さん「自分のことなのに信じられないような」
19時ごろ、アスリートセレブレーションが始まりました。第1組は19日のパラ柔道で金メダルを取った半谷静香選手、3位決定戦の日本人対決を延長の末に制した藤原由衣選手、男子J2 70kg級で2人そろって銅メダルの瀬戸勇次郎選手と櫻井徹也選手、そしてパラパワーリフティング男子59kg級で212kgの世界新記録を出したイラクのムスタファ・ラディ選手。ラディ選手には、同じイラク代表で友人のムスリム・スダニ選手(男子54kg級)が付き添いました。
会場から選ばれたフラワーエスコートが愛知県産の花のブーケを手渡し、写真撮影のあと、MCが一人ずつにマイクを向けました。
半谷 自分のことなのに信じられないような、嘘のような、本当の現実であって、なんかびっくりしています。このような機会、舞台に立たせてもらったことに感謝しています。

続けて会場へのメッセージを求められ、「応援ありがとうございました」。
藤原 メダルが取れてとても嬉しいです。今日は皆さんがいて本当に嬉しいです。

瀬戸 東京パラで叶わなかった、これだけたくさんの皆さんの前で試合ができて、応援していただいて、そしてこうしてメダルをいただいて、すごく嬉しく思います。ありがとうございました。

櫻井 皆さんのたくさんのご声援ありがとうございました。とても力になりました。

最後にラディ選手。MCの「How do you feel right now?」に、英語で「My name is Radhi Mustafa from Iraq. Player powerlifting. Gold medal. Thank you.(イラクのラディ・ムスタファです。パワーリフティングの選手で、金メダルです。ありがとう)」と自己紹介し、会場からは大きな拍手が送られました。

第2組はパラ陸上。井谷俊介さん「最高です」、唐澤剣也さん「まだ明日1500メートル残ってます」
第1組が降壇すると、三阪団長が「この後もメダルを目指して頑張っている日本選手たちを応援に行きたい」と話し、谷本副団長とともに会場を後にしました。続く第2組は、19日の男子200m T64で銀メダルの井谷俊介選手と、男子5000m T11で15分20秒46の大会新記録で金メダルを取った唐澤剣也選手、一緒に走ったガイドランナーの清水琢馬さんと堀越翔斗さん。この日に登壇が追加発表された4人です。

井谷 最高です。
会場へのメッセージを求められ、こう続けました。
井谷 200メートル(銀)メダルでした。でもたくさんの人が喜んでくれて、すごい嬉しかったです。明後日はですね、走り幅跳びで出場します。幅跳びの方で金メダルを取って、もっとたくさんの人を喜ばせたい。みんなをですね、たくさんの笑顔で会場を埋め尽くせるようにですね、頑張っていきたいと思います。応援よろしくお願いします。ぜひ会場にお越しください。
唐澤選手も、会場へのメッセージを求められて続けました。
唐澤 金メダルを目標にやってきましたので、本当に金メダルを獲得できてとても嬉しいです。本当に多くの方に祝ってもらえると思ってなかったので、びっくりしています。昨日、5000メートルで金メダルを獲得できましたが、まだ明日1500メートル残ってますので、そこでもう一つ金メダルを獲得できるように頑張りたいと思います。皆さん、応援お願いします。
井谷選手の走り幅跳び(T44/T62/T64)は22日(木)19時17分、唐澤選手の1500m T11は21日(水)に予選、22日(木)20時15分に決勝が、パロマ瑞穂スタジアムで行われます。
レジェンド4人の言葉「スポーツの力っていうのは、人と人をつなげる」
第2組を見送ったあと、MCがレジェンドの4人に感想と注目してほしい競技を聞き、最後に会場へ一言ずつ。大畑さんは選手と会場が一緒になって喜ぶ光景を「最高ですね」と振り返り、根木さんは「すべての競技に注目して、全力で応援してください」と呼びかけました。
大畑 これだけ目の前の交流空間、元アスリートとして後ろから見させてもらったんですけど、この光景、最高ですね。選手たちとね、一緒になって喜んでくれるっていう、最高の瞬間なんで。これからのスポーツでこういったシーンが見えてくると思うと、めちゃめちゃワクワクしますね。
根木 車いすバスケ注目してもらいたいですけども、本当にすべての競技ですよね。本当にこのスポーツ、すべてそうなんですけど、特にパラスポーツというのは、本当にさまざまな障害を持つ選手たちが、いろんなものを工夫したりとか、努力しながら、応援の力で不可能を可能にする素晴らしい大会だと思うので、すべての競技に注目して、全力で応援してください。
勅使川原 メダルを取ったアスリートも言っておりましたけれども、皆さんの声援が本当に力になっているんですね。そしてまだ明日も試合があるというふうにおっしゃっていましたけれども、本当に今日ご覧の皆様、すごいパワーがあります。なのでこのままパワーを選手に届けてほしいなというふうに思いますので、これからもよろしくお願いします。
青木 本当に日本でこの大きい大会が見れることってなかなかないと思いますし、やっぱり選手さんもおっしゃってましたけど、皆さんの応援ってすっごい選手の力になるので、大会終わるまで全力でみんなで応援しましょう。

根木 スポーツには、できない、できる可能性っていうものを最大限出すっていうのも魅力の一つなんです。あともう一つ、スポーツの力っていうのは、人と人をつなげるっていうものがあると思うんですよね。今日本当にパラアスリート、さまざまな障害、障害あるなし関係なし、年齢、すべて関係なしに、こうやって一つにして、みんなを元気にするパワーがあるので、このパワーを実感しながら、いろんな形で選手たちを共に応援しながら、みんなで一つになっていきましょう。

金メダル第1号の半谷選手が「自分のことなのに信じられないような」と口にし、世界記録を出したラディ選手が「マブルーク」の声に手を振る。競技場では見られない、選手と観客の距離の近さがこの日のステージにはありました。アスリートセレブレーションは23日(金)まで、各日19時からの予定です。登壇する選手は当日の発表なので、出かける前に公式サイトで確かめてください。
ONE HEART WORLDはどんなイベント?
ONE HEART WORLD(ワン ハート ワールド)は、第5回アジアパラ競技大会の大会公式セレブレーション・ファンゾーンです。10月18日(日)から24日(土)まで、オアシス21のアジアパラ競技大会ライブサイトの中で開かれ、入場は無料です。19日から24日は水谷隼さん、松田丈志さん、潮田玲子さんらが日替わりで登壇する「レジェンドアスリートトークショー」、20日から23日はメダリストや出場選手を迎える「アスリートセレブレーション」があります。日別の登壇ゲストと時間割はONE HEART WORLDの記事、ライブサイトのステージや体験コーナーはライブサイトの記事にまとめています。
| 名称 | ONE HEART WORLD(ワン ハート ワールド) |
| 期間 | 2026年10月18日(日)〜24日(土) |
| 時間 | 19〜23日 18:00〜20:00/24日 17:00〜20:00(公式サイトのスケジュール。変更の場合あり) |
| 会場 | オアシス21(名古屋市東区東桜1-11-1)アジアパラ競技大会ライブサイト内 |
| 入場料 | 無料 |
| 公式サイト | oneheartworld-aichi-nagoya2026.org |
同じ日のミックスゾーンで聞いた選手の言葉は、ムスタファ・ラディ選手、櫻井徹也選手、唐澤剣也選手とガイドランナーの清水琢馬さん・堀越翔斗さん、井谷俊介選手のインタビュー記事にまとめています。前日19日のトークショーは19日のレポ、小須田潤太さんと伊藤則子さんの話はインタビュー記事にあります。
この日の登壇者が決まるまでの経緯と4人のプロフィールは10月20日の予告記事に、各競技の結果は大会公式のリザルトサイトにあります。
よくある質問(FAQ)
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10月20日のアスリートセレブレーションには誰が登壇しましたか?
パラ柔道の半谷静香選手(金)、藤原由衣選手(銅)、瀬戸勇次郎選手(銅)、櫻井徹也選手(銅)、イラクのパラパワーリフティング選手ムスタファ・ラディ(金・212kgの世界新記録)、パラ陸上の井谷俊介選手(200m T64 銀)、唐澤剣也選手(5000m T11 金・大会新)とガイドランナーの清水琢馬さん・堀越翔斗さんの9人です。
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レジェンドアスリートトークショーには誰が出ましたか?
車いすバスケットボールの根木慎志さん、ラグビーの大畑大介さん、ショートトラックの勅使川原郁恵さん、アーティスティックスイミングの青木愛さんの4人です。広沢一郎名古屋市長、日本代表選手団の三阪洋行団長と谷本歩実副団長も登壇しました。
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アスリートセレブレーションは他の日もありますか?
10月21日(水)から23日(金)まで、各日19時から20時の予定です。登壇する選手は当日発表で、公式サイトのお知らせページに載ります。入場は無料・予約不要です。
※この記事は2026年10月20日にオアシス21のONE HEART WORLDで行った取材(トークショーとアスリートセレブレーションの録音)をもとにしています。発言は本人の言葉のままで、口ぐせのみ省いています。ONE HEART WORLDの日程・出演者は変更される場合があるので、最新の情報は公式サイトで確認してください。