アジアパラ競技大会5日目の2026年10月22日(木)、オアシス21(名古屋市東区)のONE HEART WORLD「アスリートセレブレーション」に、パラ陸上の髙桑早生選手が登壇しました。前日21日の女子100m T64決勝を13秒43の大会新記録で制し、金メダル。今シーズン限りで現役を退く34歳は、この大会を「ラストレース」と決めて臨みました。ステージのあとのミックスゾーンで、最後のレースへの思い、困難をどう乗り越えてきたか、パラ陸上の見どころを聞きました。

| 名前 | 髙桑早生(たかくわ・さき)選手 |
| 競技 | パラ陸上 T64(片脚の膝から下に障害があり、義足で走るクラス)。100m・200m・走り幅跳び |
| 今大会 | 10月21日の女子100m T64決勝は13秒43の大会新記録で1位、金メダル(2位も日本の選手で13秒94)。19日の女子走り幅跳び(T42/T44/T61/T62/T63/T64)は5m00で4位 |
| 経歴 | 埼玉県出身、34歳。NTT東日本所属。13歳のとき骨肉腫で左脚を失い、義足に。ロンドン2012、リオ2016、東京2020、パリ2024とパラリンピック4大会に出場 |

「改めて、たくさんの人に応援していただいたんだなっていうのを実感できる時間になりました」
――金メダル獲得おめでとうございます。金メダル獲得から一夜明けてこのステージに立たれて、いかがでしたか。
髙桑 本当に改めて、たくさんの人に応援していただいたんだなっていうのを実感できる時間になりました。

「最高の舞台で最高のレースをすることができて、この先、本当に一生の宝物になりました」
――13秒43というすごい記録を出され、この記録と、34歳で取られたこの金の意味は、今どう感じられていますか。
髙桑 もう本当に私にとって長い現役生活の中でラストレースということで、もうどういうレースになるかっていうのをいろいろ想像してきた中で、一番最高の形のレースをすることができ、かつ本当に温かい声援をいただいて、最高の舞台で最高のレースをすることができて、この先、本当に一生の宝物になりました。
「とにかく『楽しい』って思えることを一個一個探してきた」
――髙桑選手は13歳で足を失われて、その困難を乗り越えることができたと思いますか。
髙桑 とにかく「楽しい」って思えることを一個一個探してきたっていうことと、陸上競技に出会って、全力を尽くせるものに出会えた、そういう巡り合わせみたいなものを逃さずにここまで来れたっていうこと。これだけ長くのキャリアを積んで、最後こういう結果につながったのかなというふうに思っています。
「人工物と肉体の融合みたいなのが、すごく魅力的だなというふうに思っています」
――この100メートルという競技を初めて見る人に、見るポイントを教えてもらってもいいですか。
髙桑 パラ陸上は、特に私のように義足の選手でいますと、人工物と肉体の融合みたいなのが、すごく魅力的だなというふうに思っています。走る、投げる、跳ぶっていうのは人間の基本的な動きなんですけども、それを極めた先、かつ道具を使って、体一つで表現するっていうところが魅力だと思うので、その一番魅力を凝縮した種目が100メートルなのかなというふうに思っているので、そういった迫力とコラボレーションを見てもらいたいなと思います。

「今苦しくてもその先に明るい未来が必ず待っているっていうのを信じること」
――競技を続ける上で苦しかった時期があったと思います。それをどうやって乗り越えたか教えていただけますか。
髙桑 今苦しくても、それを積み重ねていった先、自分の成功するビジョンであったりだとか、しっかり考えていければ、今苦しくてもその先に明るい未来が必ず待っているっていうのを信じることだと思います。
――最後に、ファンの皆様にメッセージをいただけますか。
髙桑 たくさんの応援ありがとうございました。これからもパラスポーツ、パラ陸上を楽しんでもらいたいと思います。ありがとうございました。
――髙桑選手、ありがとうございました。
ステージで廣瀬誠さんから。「家族が競技場まで見に来てくれたっていうのがすごく嬉しかったです」
ステージでは、司会から金メダルを祝われて、こう話しました。
髙桑 本当に陸上競技場、毎日あったかく、いや熱いくらいの声援をいただいて、すごく幸せいっぱいな空間で競技させてもらいました。本当にありがとうございました。
レジェンドを代表して、パラ柔道の廣瀬誠さんから「自分の姿をこの人に見せたかった、という人は」と聞かれて。
髙桑 やはり日本での開催ということで、家族が競技場まで見に来てくれたっていうのがすごく嬉しかったです。また、見てほしい姿、最高の姿を見せることができたので、本当に良かったです。
引退したあとにやりたいことは、と聞かれて。
髙桑 本当に私はパラ陸上に育ててもらったので、これからは外からパラ陸上、またパラスポーツを応援する立場になれるように励んでいきたいなというふうに思ってます。河合長官が、「パラスポーツやってる人、パラリンピアンは、引退してからどんな振る舞いをするかっていうので、本当の真の価値が決まるんだ」って言ってたので、また一緒に盛り上げていきたいと思うので、よろしくお願いします。
髙桑さんが名前を挙げた河合長官は、パラ競泳の金メダリストで、2025年10月にスポーツ庁長官に就いた河合純一さんです。
髙桑早生選手のプロフィール
埼玉県出身、34歳。NTT東日本所属。13歳のとき骨肉腫で左脚を失い、義足で陸上を始めました。パラリンピックはロンドン2012、リオ2016、東京2020、パリ2024の4大会に出場。今シーズン限りでの引退を表明して臨んだ愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会では、10月21日の女子100m T64を13秒43の大会新記録で制し、金メダルを獲得しました。
「最高の舞台で最高のレースをすることができて、この先、本当に一生の宝物になりました」。13歳で脚を失ってから、「楽しい」と思えることを一つずつ探して、陸上にたどり着いた髙桑選手。ラストレースを家族の前で金メダルで締めくくり、これからは「外からパラ陸上、またパラスポーツを応援する立場」に回ります。
ONE HEART WORLDはどんなイベント?
ONE HEART WORLD(ワン ハート ワールド)は、第5回アジアパラ競技大会の大会公式セレブレーション・ファンゾーンです。10月18日(日)から24日(土)まで、オアシス21のアジアパラ競技大会ライブサイトの中で開かれ、入場は無料です。19日から24日はオリンピアン・パラリンピアンが日替わりで登壇する「レジェンドアスリートトークショー」、20日から23日はメダリストや出場選手を迎える「アスリートセレブレーション」があります。日別の登壇ゲストと時間割はONE HEART WORLDの記事、ライブサイトのステージや体験コーナーはライブサイトの記事にまとめています。
| 名称 | ONE HEART WORLD(ワン ハート ワールド) |
| 期間 | 2026年10月18日(日)〜24日(土) |
| 時間 | 19〜23日 18:00〜20:00/24日 17:00〜20:00(公式サイトのスケジュール。変更の場合あり) |
| 会場 | オアシス21(名古屋市東区東桜1-11-1)アジアパラ競技大会ライブサイト内 |
| 入場料 | 無料 |
| 公式サイト | oneheartworld-aichi-nagoya2026.org |
同じ日のミックスゾーンで聞いた選手の言葉は、西田杏選手、山本恵理選手、大島健吾選手、中川もえ選手のインタビュー記事にまとめています。この日のトークショーとアスリートセレブレーションの流れはイベントのレポ記事をどうぞ。前日21日のONE HEART WORLDは21日のレポ、20日のアスリートセレブレーション初日は20日のレポ、19日のトークショーは19日のレポにあります。
よくある質問(FAQ)
-
髙桑早生選手の今大会の結果は?
2026年10月21日の女子100m T64決勝で、13秒43の大会新記録を出して1位、金メダルでした。19日の女子走り幅跳びは5m00で4位でした。
-
髙桑選手はどんな選手ですか?
埼玉県出身、34歳のパラ陸上T64の選手で、NTT東日本所属です。13歳のとき骨肉腫で左脚を失い、義足で競技を続けてきました。パラリンピックはロンドン2012からパリ2024まで4大会に出場しています。
-
髙桑選手が考えるパラ陸上の魅力は?
「人工物と肉体の融合みたいなのが、すごく魅力的」と話し、その魅力を一番凝縮した種目が100mだと答えました。
-
髙桑選手は引退後に何をしたいと話しましたか?
「これからは外からパラ陸上、またパラスポーツを応援する立場になれるように励んでいきたい」と話しました。
※この記事は2026年10月22日にオアシス21のONE HEART WORLDで行ったミックスゾーンの囲み取材と、ステージでの発言をもとにしています。発言は本人の言葉のままで、口ぐせのみ省いています。ONE HEART WORLDの日程・出演者は変更される場合があるので、最新の情報は公式サイトで確認してください。